09.思春期の龍



「かわいいっ!」真雪は飛び跳ねた。「龍、これって、いくつの頃?」

 龍は思い切り赤面して言った。「ちゅ、中一の終わり頃だよ、確か」

「急に大きくなり始めたって頃だね。でもまだ少年だね。おしりもぷりぷりだし」

「そ、そうだね……」

「いつもこうやって一人エッチしてたの?」

「う、うん……」

「手に持ってるのは、誰のショーツ?」

「えっ?」龍はさらに顔を赤くした。

「ねえ、誰のなの?」

「か、母さんの……」

「やだー!龍ったら。貸してもらったの?」

「そ、そんなわけないだろ!」

「じゃあ、どうしたのよ」

「ほ、干してあったの、こっそり取った……」

「バレなかった?」

「何とか……」

「言ってくれれば、あたしの、あげたのに」

「な、何言ってるんだ!そ、そんな。まだ俺たちつき合ってなかったじゃない」

「でもさ、その頃からいっぱい出してたんだね、龍」

「そ、そうだね……」

「ミカさんが言ってた。昔からいっぱい出す子だったって」

「母さん、そんなこと言ってたの?」

「うん。シーツのシミが広範囲だったって」

「まったく、もう……」

「それで、どんなことを妄想しながらやってたの?」

「そ、それは……」

「ねえ、教えてよ」

「マ、マユ姉のハダカ……」

「やだー!」真雪は赤くなって叫び、龍の後頭部をひっぱたいた。

「そう言えば、龍の初めての精通はハワイの旅行の時だったんだよね?」

「そ、そうだけど……」

★そのハワイ旅行での出来事はこちらです→

 

「ケン兄が言ってたけど、あの時あたしとエッチしてる夢、みてたんだって?」

「う、うん……」

「どうだった?」

「え?どうだったって?」

「龍、あたしに乗っかってたの?」

「た、ただ単に挿入して出し入れしてただけだよ」

「え?それだけ?」

 龍は真っ赤になっていた。

「だ、だって、まだ未経験だったんだよ?そんないろんなテク、知ってるわけないでしょ」

「あたし、感じてた?」

「覚えてないよ、そんなの……」

「気持ち良かった?」

「そ、そりゃあね。人生で初めての射精だったわけだし……」

「その後もあたしとエッチする夢、みたことあるの?」

「もう何度もみたさ」

「そんなに?」

「マユ姉としたくてたまらなかったからね」

「あたしをそんな目で見てたんだ、龍ったら……」

「ご、ごめん……」

 真雪は龍の頭を撫でた。「嬉しい」

「だから一人エッチの時も、妄想するのはマユ姉のことばっかりだったよ」

「やだー!龍のエッチ!」

 真雪はまた龍の後頭部をひっぱたいた。

 

2013,4,28(追記2013,6,29) Simpson