24.龍の黒歴史



龍「ま、真雪」

真雪「どうしたの? 龍」

龍「俺、ずっと君に秘密にしてたことが、その、あって……」

真雪「秘密?」

龍「いや、わざとそうしてた訳じゃなくて、何て言うか、すっごく言い出しにくいって言うか……」

真雪「後ろめたいってこと?」

龍「そ、そういうことに……なるかな」

真雪「言ってみてよ」

龍「怒らない?」

真雪「怒られるようなこと?」

龍「ショックを受けちゃうかも……」

真雪「そんなに重大なことなの?」

龍「ま、まあ……」

真雪「言ってよ。ここまで聞いたら最後まで聞かなきゃ治まらないでしょ? 龍も」

龍「そ、そうだね」

真雪「何?」

龍「じ、実は、俺にとって真雪は初めての女性じゃないんだ……」

真雪「えっ?!」

龍「今まで黙ってたけど、俺の、」

真雪「何それ! なんで黙ってたの?」

龍「わああ! ご、ごめんなさい!」

真雪「信じられない! あたしを騙してたのねっ!」

龍「ごめんなさい、ごめんなさい!」

真雪「相手は誰なの? 龍の初体験の相手」

龍「えっと……」

真雪「観念して白状しなさいよ」

 

★基礎知識『真雪と龍』

龍「じ、実は、初めての相手は、か、母さんなんだ……」

 

ぶーっ!

 

真雪「!?」

龍「……」

真雪「ちょ、ちょっと待って、何がどうなってそうなったってわけ?」

龍「……そ、そのカップを置いて、落ち着いて聞いてくれない?」

真雪「わかった」

龍「俺が小六の時……」


龍「風呂上がりに母さんが下着姿のまま俺に迫ってきて、パンツの上から触るんだよ、いきなり」

真雪「いきなり?」

龍「そう。俺もとまどっちゃってさ、なんでそんなことするのかよくわからなかった」

真雪「まあ、小六の龍って、まだ幼い感じだったしね」

龍「で、母さん、こう言うんだ『おまえを気持ち良くさせてやるよ』」

真雪「まだそういう気持ちよさを知らない頃だよね? 小六って言ったら」

龍「そう。だから母さんの言ってる意味がよくわからなくてきょとんとしてたら、俺、立たされていきなりパンツを引きずり下ろされた」

真雪「おお、さすがミカさん、強引だね」

龍「そして俺のあれをいじくり回すんだよ」

真雪「息子のものをいじり回す母親か、あまり聞かない話ね」

龍「そしたらだんだん硬くなってきちゃって……」

真雪「昂奮してきたってこと?」

龍「いや、その時は恥ずかしさしかなくてさ、条件反射でそうなったんじゃないかな……」

真雪「気持ち良かった?」

龍「変な感じしかしなかったよ」

真雪「でしょうねえ……」

龍「そしたら母さん妙に喜んじゃって、『おお、おまえもいっちょ前に勃つんだな』って」

真雪「変な母親……」

龍「それから母さん、俺の下着を脱がせて、自分も全裸に」

真雪「そ、それで?」

龍「俺、抱きしめられて無理矢理キスされた……」

真雪「おお、すごいね。で、龍はどんな気持ちだった? 嬉しかった? イヤだった?」

龍「まあ、相手が母さんだからイヤだとは思わなかったけど、でも、やっぱりなんかすごく恥ずかしかった」

真雪「そりゃそうだよね、親子とは言え、お互い全裸で抱き合ってキスしてるわけだし」

龍「舌を入れてきて口の中も掻き回されたんだ……」

真雪「いきなりディープなフレンチキス! やるねミカさん」

龍「欲情してたに違いないよ、あの人」

真雪「息子に?」

龍「うーん……。そうなのかも」

真雪「ご主人のケンジおじ相手にすりゃあいいのにね。ケンカでもしてたのかな?」

龍「そういう訳じゃなさそうだったけどね」

真雪「で、それからどうなったの?」

龍「母さんの胸に顔を埋めさせられたり」

真雪「ふんふん」

龍「ち、乳首を咥えさせられたりしたんだ」

真雪「まあ、流れとしてはそうでしょうね」

龍「俺『赤ちゃんじゃないんだからさー』って抵抗した」

真雪「エッチの時のその行為の本当の意味が分かってなかったってことね」

龍「当たり前だよ」

真雪「で?」

龍「後は一気呵成。俺、ベッドに押し倒されて、仰向けにされて、」

真雪「フェラされたりしたの?」

龍「ううん、それはなし。俺のをまたいじり回して、硬くなったのを確認していきなり馬乗りになってきてさ、」

真雪「騎乗位! ……まあ、そうだろうね。龍が自らの意思でミカさんに挿入するわけないしね」

龍「俺の手と顎を押さえつけて、その、とうとう中に……」

真雪「い、入れられちゃったの?」

龍「う、うん……。ご、ごめん」

真雪「いやいや、ここまで来るともう虐待でしょ。母親の息子に対する性的虐待」

龍「だよね。俺さ、『何するの? 母さんやめてっ!』って叫んでた」

真雪「で、イかされちゃったの?」

龍「騒ぎに気づいた父さんが飛んできて母さんを引き離してくれた」

真雪「ケンジおじもびっくりしたでしょうね」

龍「大慌てしてたよ『何やってんだ! ミカ、龍から離れろ』って」

真雪「無理もないね」

龍「それから父さん、俺にいろいろ訊いてきて、心配してくれた」

真雪「無事に未遂で終わったってわけね」

龍「そうだね。でもあのまま続けていても俺、射精できなかっただろうし、母さんもイけなかったと思うよ」

真雪「そう? どうして?」

龍「だって小六の時の俺のサイズじゃ刺激なんかほとんどないでしょ」

真雪「龍はともかくミカさんはそれなりに昂奮できたかもよ? 心理的に」

龍「俺に欲情してたとしたらね」

真雪「ケンジおじ、ショックだったでしょうね」

龍「ショックも受けただろうけど、けっこう興味も持ってたみたいだよ」

真雪「そ、そうなの?」

龍「うん。後で訊いたら、その夜母さんとのSEXはすっごく激しかったんだって」

真雪「へえ」

龍「俺とのエッチの様子を詳しく言わせながら母さんを責めまくったってさ」

真雪「妻が寝取られた状況をネタにジェラシーセックスを繰り広げたわけね」

龍「言っとくけど、俺が母さんを寝取ったわけじゃないからね。でも母さんもそのシチュエーションに相当燃えたらしいよ」


真雪「実はミカさん、それが目的だったのかもよ」

龍「そうかも……」

真雪「龍はそのネタ作りのカモになったってことね、あははは!」

龍「何だよ、笑わないでよ。俺だってこんな恥ずかしい過去、口にしたくなかったんだからね」

真雪「また誘惑されちゃうかもよ? 龍」

龍「母さんに?」

真雪「そうなったらどうする?」

龍「今そういうことになったら返り討ちにしてやるよ」

真雪「おお、随分強気じゃない」

龍「そんなにやりたきゃ、思いっきりイかせてやるよ、って凄んでみようかな」

真雪「あの人そう簡単には墜ちないよ。龍はミカさんの意のままになって、逆に堕とされちゃうと思うな」

龍「きっとそうだね。やっぱりやーめた」

2017,2,12