第5話 赤い首輪と黒いディルド page 1 / page 2
「今日も、とっても良かったよ、修平」
夏輝はベッドで修平のハダカの胸に指を這わせながら甘い声で囁いた。
「そうか。良かった」
「修平は?」夏輝が上目遣いで言った。
「もちろん、俺はおまえとのエッチで満足しなかったことは一度もねえよ」
「嬉しい」
夏輝はまだ修平の汗ばんだ逞しい胸に頬を寄せた。
天道修平と夏輝は、結婚して5年。現在どちらも30歳。もともと中学時代からの同級生だった二人は、高三の時夏輝から修平に告白して交際が始まった。中学時代から剣道を続けていた修平は、大学の教育学部に進学し、現在は町の公立中学校の保健体育教師を務めている。一方夏輝は高卒後警察官の採用試験に現役で合格し、今はすずかけ町二丁目の交番に勤務している。
二人の鼓動が収まった頃、夏輝はそっと起き上がった。
「ん? どうした? 夏輝」
「まだ起きてたね、修平」
「ああ。なんだか今日は目が冴えちまって……」
「じゃあさ、」夏輝が四つん這いになって修平の顔を覗き込みながら言った。「今度は拘束プレイ、やってみない? いつもより激しいの」
「え? 激しいの?」修平も身体を起こした。「どんなこと、やるんだ?」
「今は内緒。ねえねえ、あたしの言うとおりにしてくれる?」
「いいぜ。おまえになら何をされても構わねえ」
「ほんとに?」
夏輝はベッドを下りて、キャビネットの一番下の引き出しを開け、ショーツを取り出した。「じゃあさ、修平、これ穿いて」
それは真っ黒で強い光沢を放つエナメルのショーツだった。
「おお! なんだかSMチックなぱんつだな」
修平はベッドの横に立ち、夏輝に手渡されたそれをすぐに身に着けた。
「後ろが丸開きだぞ。それにむちゃくちゃパツパツなんだけど……」
「ふふ、楽しそうでしょ? 修平」
「こ、股間がきついよ……」
「ちょっとこっち向いてよ」
修平は、夏輝に向き直った。
「うん。いいね。そんだけ押さえ込まれてると、まるで女のコみたいだね」
「前がつるつるだ」修平は自分の押さえ込まれたペニスを覆っているその黒く小さなショーツを撫でた。
「はい。じゃあ目隠し」
夏輝は修平に赤いアイマスクを渡した。彼はそれを目に当てた。
「四つん這いになって」
修平は言われた通りにベッドに四つん這いになった。
夏輝は部屋の隅に立てかけていた短めの物干し竿を持ってきて、ベッドに置いた、それから修平の両脚を大きく開かせて、その物干し竿にロープで結びつけ、固定した。
「え? え?」修平は戸惑ったようにアイマスクをつけた顔をきょろきょろさせた。「な、夏輝、」
「もうちょっと準備が必要。修平、おとなしくしててね」
「う、うん」
次に夏輝は、鎖の付いた赤い首輪を彼の首に巻き付け、その鎖を四つん這いになった身体の下を通して先の物干し竿の中心に取り付けた。それから両手を背中に回させて、手首同士を拘束した。
「お、おい! 夏輝、お、俺、身動きとれねえんだけど」
修平はベッドに四つん這いになり、後ろ手に縛られ、這いつくばって、ヒップを突きだし、股間を大きく広げられていた。
「な、何すんだ? いったい……」
「それから、えーっと……」
「『えーっと』?」
「なになに、『自分に装着したらパートナー(男性)ができるだけ痛くないように手に、』なるほどね」
「って、夏輝、おまえ何か読んでんのか?」
「うん。取扱説明書」
「取扱説明書? 何の?」
「今にわかるよ」
夏輝は傍らに置いていたこれも黒いつやつやのハーネスを手に取った。それはTバックのショーツに似た形をしていて、前面に太く反り返ったディルドが取り付けられている。さらに内側にも少し小ぶりのディルドが突きだしていた。
夏輝はそれを自分の秘部にあて、内側についているディルドを自分の谷間に埋め込んだ。「あ、ああん……」
「『ああん』? 夏輝、お、おまえ、何やってんだ?」修平は焦ったように言った。
夏輝は修平のその質問に答えることなく、枕元に置いてあるローションの赤いボトルを取り、中身をたっぷりと自分の手のひらに出した後、おもむろに修平の露わになったヒップに塗りつけ始めた。
「つ、冷てっ!」
修平が身体を硬直させた。
「ごめんごめん、温めとけばよかったね」
「な、なんだよ、ローションなんか尻に塗りたくりやがって……」
夏輝は右手の指先もローションでたっぷりとぬるぬるにすると、それをそっと修平のアヌスに挿入し始めた。
「あああああっ! 夏輝っ!」修平が驚いて身体を震わせた。
「ふふ、修平、もう覚悟はできてたでしょ?」
「だ、だめだ、お、俺、もうすんげー興奮してる」
「まだまだこれからだよ」
夏輝は自分の股間に生えた「黒いペニス」にもローションをたっぷりと塗りつけた。
「いくよ、修平」
「夏輝、夏輝っ!」
夏輝はその黒い武器を修平のアヌスにゆっくりと埋め込み始めた。
「んあああああーっ! 夏輝っ夏輝っ!」修平は大きく喘いでいる。
「修平、あんた今は女のコなんだからね。そしてあたしが凶暴な男。修平をレイプしてるんだから。あ、ああ……」
夏輝が腰を動かし始めた、修平の中を刺激するのと同時に、穿いているペニスバンドの内側に取り付けられていたディルドは夏輝自身の中で、敏感な場所を容赦なく刺激していた。
「あ、ああ、いい、気持ちいい、あたしも、ああああ……」夏輝は喘ぎながら腰をさらに前後に大きく動かした。
「だ、だめだ! 夏輝、イきたい、イかせてくれ!」
「い、いいよ、修平、イってもいいよ!」
「イ、イけねえ! 締め付けられてて、イけねえよっ!」
夏輝は修平の腰を両手で押さえつけ、自分の身体を少しずつ持ち上げた。
「あ、ああっ! うわあああああ!」いきなり修平が大声で叫びだした。「な、なんだこ、これっ! ぎゃあああっ!」
悲鳴に近い声で修平は叫び続けた。
「ここだね、前立腺」夏輝が息を弾ませながら言った。
「夏輝っ! 変だ! 俺、変になっちまうっ! うぎゃあああーっ!」
修平の前立腺を探り当てた夏輝は容赦なく、手に入れたその武器で修平を強烈な快感の海に突き落とした。
「やめてくれーっ! き、気が狂いそうだっ! 夏輝、夏輝っ!」
修平の全身から汗がしたたり落ちていた。
「あ、あたしも、イく、イっていい?」
夏輝も大きく身体を動かしながら自分自身の興奮を高めていった。
「イけねえけど、イってる! 俺、イってる! さっきからずっと、うああああ! うぐううっ!」
「あたしもっ! イく! 修平、修平ーっ!」
修平も夏輝も激しく声を上げながらいつまでも身体をぶるぶると大きく震わせ続けた。
夏輝の身体の火照りが冷めていく方が早かった。
「夏輝、夏輝、夏輝っ!」
拘束を解かれても、修平はまだベッドの上でじたばたしながら喘ぎ続けていた。
夏輝は修平の身体をそっと抱いて、仰向けにすると、彼の股間を締め付けていた黒いエナメルのショーツを脱がせた。その途端! 修平のペニスは一気に飛び上がり、一瞬の後にその先端から激しく白い液を強烈な勢いで飛ばし始めた。
「うぐっ! うっうっ!」
びゅびゅっ! びゅくっ! びゅくびゅくっ! びゅるるっ!
それは宙に弧を描いては修平の腹に,胸に、そして顔に、そしてシーツのあちこちにびちゃびちゃと落下し続けた。
「はあはあはあはあ……」
修平はまだ荒い呼吸を繰り返していた。脈動の収まったペニスを、夏輝は心を込めて咥え、先端にまつわりついていたものを舐め取ってやった。それから、修平の身体に付着していた液もウェットティッシュで優しく拭き取った。
顔を上げた夏輝は少し申し訳なさそうに言った。「ごめん、修平、痛かった?」
「俺、もう死ぬかと思った」
夏輝はびっくりして叫んだ。「ご、ごめん! そんなに辛かった?」
「いや、あんまり気持ち良くて」
「なんだ、びっくりした」夏輝は笑いながらため息をついた。「でも良かった」
「あれが前立腺刺激って言うんだな。俺、始めての体験だった」
「どんな感じなの?」
「もう声が抑えられない。腰の辺りがくすぐったいような痺れるような、とにかく今までに経験したことのないタイプの快感だった」
「そうなんだね」
修平は夏輝が身に着けていたハーネスを手に取った。
「すげえな、こんなグッズがあんのか」
「相手も自分も刺激できる双方向タイプなんだって」
「へえ。でもこれ女同士用じゃねえの?」
「お尻で感じる男性にだったら使えるじゃん。今、実証したでしょ」
「ま、まあな」
「でも楽しい。修平とセックスするのって、最高だよ」夏輝ははしゃぎながら言った。
「なんでだよ」
「いろんな方法でできるし、それを修平、嫌がらないし」
「俺、おまえにいろいろ開発されてっからな。実際。でもまさかオンナにバックから攻められるなんて、夢にも思わなかったぜ」
「修平がいつもあたしをシャワーの時バックから攻める気持ちがわかったよ」
「明日は俺の番だかんな。覚悟してろよ」
「うん。嬉しい」
二人は全裸のまままたぎゅっと抱き合った。
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