第2話 どきどきパートナー交換 page 1 / page 2 / page 3 / page 4 / page 5 / page 6


《おまえ、大人になったなあ》

 

 健太郎の部屋。小さなテーブルを挟んでその双子の兄妹は手にコーヒーカップを持って向かい合っていた。

 

「思えば、」真雪がにこにこしながら言った。「ケン兄とこうやって二人きりでお茶するのって、初めてじゃない?」

「確かに」

「ごめんね、無理言っちゃって」

「いいさ」健太郎も微笑んだ。「ルナに言われて、なるほどな、って思ったし」

「何て言われたの? 春菜に」

「セックスするためだけに夫婦をやってるんじゃない。誰でも、っていうわけにはいかないけど、心が通じ合った男女であれば、癒し合えるセックスもありじゃないか、って」

「おお、いいこと言うね、春菜。で、正直どんな気持ち? 妹のあたしを抱くことになって」

「正直、俺、ミカさんとの初体験の時や、初めてルナとセックスした時より今の方が緊張してる」

「えー? なんで?」

 健太郎は早口で言った。「だ、だって、お前、まさかいっしょに母さんから生まれた双子の妹とセックスするなんて夢にも思わなかったぞ」そして焦ったように額の汗を拭った。

「まあ、それはあたしもだけど」真雪はカップを口に運んだ。

 

「お前はどうなんだ?」健太郎もカップを口に運びながら上目遣いで妹を見た。

 真雪はひょいと肩をすくめた。「あたし、ケン兄に抱かれるのは全く抵抗ないよ。そりゃあ、龍とつき合い始めてすぐのころや20代の頃だったら抵抗があったかもしれないけど、春菜の言うとおり、癒しを求めてのセックスだったら風俗なんかに通うよりずっと健康的だと思うもの」

「そんな感じなんだな……」健太郎は拍子抜けしたように言った。

「昔みたいにさ、最初は手を繋いで横になってみようよ」

「そ、そうだな」

 

 健太郎と真雪は、下着姿でベッドに並んで横たわった。そして手を繋ぎ合った。

「わあ! 懐かしい!」真雪が言った。「甦るよ、小学生の頃」

「うん。確かに。毎晩俺たちこうやって手、繋いで寝てたな」

「ケン兄の温かい手を握ってると、安心して眠れた」

「そうなのか?」

「うん。今は龍に身体を抱かれてると同じ気持ちになるよ」

「へえ」

「にしても、」

「何だよ」

「まだこのベッド使ってるわけ? 春菜と一緒の時、狭くない?」

「俺も気になっててさ、もっと大きなベッドにしようか、ってルナに言ったら、ケンとずっとくっついていられるから、これでいい、って言われた」

「はいはい。ごちそうさま」真雪は笑った。

「おまえんちのベッドは広いのか?」

「うちはキングサイズだよ」

「あの部屋にキングサイズ? でかすぎだろ」

「だって、龍、やたらと動くんだもん。落っこちないように大きいのにしたの」

「動く? ああ、たしかに寝相悪いよな、あいつ。ちっちゃい頃泊まりに来た時も俺、ここで何度もあいつに蹴られたり押しやられたりしたからな」

「いや、寝相じゃなくてね……」真雪は少し頬を赤くした。

 健太郎は真雪の顔を見て、すぐに勘づいて呆れ顔をした。「そうかそうか。激しいんだな、おまえら」

「えへへ……」

 

 健太郎は少し躊躇いがちに身体を真雪に向けた。そしてブラ越しに彼女の乳房にそっと指を這わせた。「お前、ホントに大きいのな、今さらだけど」

「中学の頃からずっと見てたでしょ? この胸」

「見てないよ」健太郎は赤くなって言った。

「でも、あの頃は自分の胸が大きくなっていくのがとっても恥ずかしかった」

「そうなんだ……」

「しゅうちゃんによく馬鹿にされてたもん。『爆乳女』って」

「あいつ、そんなこと言ってたのか? おまえに」

「うん」

「で、でも、おまえ、こないだ、その修平に抱かれたんだろ? 修平、どんな反応してた?」

「感動してたよ。それに、子どもみたいにおっぱいに顔埋めてたし」

 健太郎は肩をすくめた。「実はあいつ、当時からおまえの胸、気にしてたんだ」

「そうなんだってね」

「修平に聞いたのか?」

「うん。あたしの胸、触るのが夢だった、って感動してうち震えてた」

 健太郎は噴き出した。「あはは! あいつそんなに」

 

「中学校に入学した日に、俺、修平とケンカしただろ?」★

「あー、あれね。あたしびっくりしちゃったよ。後にも先にもケン兄があんなに乱暴になったことなかったからね」

 健太郎は照れたように笑った。「あれは、修平がおまえの胸をいやらしい目で見てたのに我慢できなかったからなんだぞ」

「そうらしいね」

「知ってたのか?」

「うん。そのこともしゅうちゃんに抱かれる時、聞いた」

「そうか」

「ケン兄って、シスコンだったんだね」

「おまえが言うな」

★健太郎と修平が大げんかした話『精通タイム』(外伝第2集第8話)

 

真雪は笑った。「ブラ、外して、ケン兄」

「あ、ああ」

 

 健太郎は恐る恐る真雪の背中に腕を回し、ブラのホックを外した。ぷるん、と解放された真雪の豊かな乳房が目の前に現れた途端、健太郎は一瞬息が止まり、ごくりと唾を飲み込んだ後、焦ったように片方を手のひらで、もう片方を口で包みこんだ。「んっ、んっ……」

「あ、あああん……」

 

 健太郎は焦ったように真雪のバストを揉み、吸い、さすった。そしてようやく口を離して恥ずかしそうに真雪の目を見つめた健太郎は、息を荒くして言った。「マ、マユ、おまえのおっぱい、すごいよ。こんなに柔らかくてすべすべだったんだな……」

「ケン兄ったら、子どもみたい。キスもまだなのに、おっぱいにむしゃぶりついちゃって」真雪は笑った。「しゅうちゃんのこと、とやかく言えないじゃん」そして健太郎の首に手を回し、引き寄せながら唇を重ね合った。

 

 真雪は口を大きく開き、健太郎のそれと交差させながら激しく吸い、舌を絡ませた。健太郎も呻きながらそれに応えた。下になった真雪の頬から首筋へ、二人の唾液が一緒になって幾筋も流れ落ちた。

 

 

 口を離した健太郎の眼を見つめながら、真雪は言った。「ケン兄、下になって」

 

 仰向けになった健太郎の青くぴったりとした下着をゆっくりと脱がせると、大きくなった彼のペニスが跳ね上がり、先端から透明な液が飛んだ。

「すごい、もうこんなになってる」

 健太郎は小さな声で言った。「マ、マユ、あんまり見ないでくれ」

 ふふっと小さく笑って真雪が言った。「しゅうちゃんもこないだそう言ってた。そう言えば最初の頃、龍もそんな風に言ってたっけ」

「そうなのか?」

「みんな純情なんだね」真雪はにこにこ笑いながらそのペニスを両手で包みこんだ。「温かい……。この温かさ、とっても心地いいよ」

「そ、そうか?」

「咥えちゃうよ」

「え? ええっ?!」健太郎はうろたえた。

「何慌ててるの? この流れでいけば、次は当然フェラでしょ?」

 

「マユ、おまえ、大人になったなあ……」健太郎はしみじみと言った。

 

「ケン兄と同じ歳なんだけどね」真雪はまた小さく笑った後、おもむろに健太郎のペニスを頬張った。

「うあっ!」健太郎は思わず仰け反った。「だ、だめだぞ! 俺、絶対おまえの口の中には出さないからなっ!」

 

 真雪は無言でその行為を続けた。

 

「んっ、あっ、あっ、ああっ!」健太郎の息がどんどん荒くなっていく。そして彼の手が真雪の頭を掴み、乱暴にペニスから引き離した。

 はあはあはあはあ……。肩で息をしながら健太郎は頭をもたげ、真雪を睨んだ。「やめてくれよ。言っただろ、口に出すのはイヤだって」

「出そうだったの? ケン兄」

「発射10秒前だった……」

「なんでケン兄も龍も、口に出すの嫌がるかな……」真雪はつまらなそうに言った。

「ケンジ伯父がそうだったからだろ。遺伝だ。きっと」

 真雪は四つん這いで健太郎に覆い被さるようにして彼と顔を突き合わせた。

「なるほどね。ミカさんもそう言ってた。ケンジ伯父、絶対に口には出さないんだって」

「一度も出したことないのかな……」

「ケンジ伯父はね。でも、ミカさん、ケン兄からは何度か出してもらった、って言ってたよ。そうなの? ケン兄」

 真雪は下になって少し赤くなっている健太郎の鼻を小突いた。

「あの人、けっこう強引なんだ。出る、放して、って言っても、俺、咥えられたままイかされたことが、何度かある」

「何度もあるんだ」

 健太郎は小さな声で言った。「ハワイでの初体験の時、エッチはその口内発射で始まったんだ」

「さすがミカさん。すでに自分のペース」

「当然だ。初めてだったんだから、俺」

「いっぱい出しちゃったの?」

 健太郎は恥ずかしげに言った。「俺、もうカラダが破裂寸前だったからさ、めちゃめちゃ大量に出しちまったんだ……」

「ミカさん、どんな反応してた?」

「けろっとした顔でさ、『いっぱい出したね』って言ってた」

「大人だね」

「ほんとにいっぱいだったんだぞ。あの人それでも全部飲み込んだんだ」

「でしょうね。好きらしいから、ミカさん」

「おまえはどうなんだ? 龍の出すものを口にするの」

「全然平気。時々無性に欲しくなる」

「気持ち悪いって思わないのか?」

「好きな人のものを受け止められるんだもの。味と言うより、あの温かさとか勢いに萌えるんだよ」

 健太郎は呆れ顔をした。「理解できない……」

「口内発射って気持ちいいんじゃないの? 男の人にとっては」

「快感はもちろんあるけど、俺いっぱい出しちまうし、その間ずっと咥えてもらってるのが申し訳なくて」

「なるほど」

「龍も、たぶんケンジ伯父もそう思ってるはずだよ」

「みんないっぱい出すからね、確かに」

「それに相手の女性をイかせずに自分だけ、っていうのに抵抗があるんだよ。うん、それが一番かな」

 真雪は口角を上げて小さくうなずいた。「そういうことね。納得。ケンジ伯父と龍とケン兄の性格を考えればそうだね。確かに」

「セックスは二人で気持ち良くならなきゃ」健太郎が微笑みながら言った。

「紳士的で優しい男たちだね」真雪も微笑んだ。「じゃあ、いっしょにイこ、ケン兄。来て」

「あ、ああ」


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