《私を奪って、ご主人様》
シティホテルの一室。無機質な白い壁に、シンプルなカバーが掛けられたダブルベッドがひとつ。
スーツ姿の龍がホテルのドアを開けて入ってきた。
「お帰りなさいませ、ご主人様」脚を揃え、手も前のエプロンに揃えてうやうやしく頭を下げたのは、黒いメイド服姿の春菜だった。
「上着を」春菜は龍の上着を脱がせて手際よくハンガーに掛け、壁のフックに吊した。
「お疲れでしょう。私がご主人様のお身体を癒して差し上げます」春菜はそう言って、龍のネクタイに手を掛けた。
「は、春菜さん……」龍は思わず顔を緊張させた。
春菜は小さな声で言った。「違うでしょ、龍くん、今はあなたはご主人様で、私はメイド。私を呼ぶ時はもっとふてぶてしく『ルナ』って言ってくれなきゃ」
「で、できないよ、そんな……」
「だめ。こういう演出で私、あなたに抱かれたい」春菜は甘えた声で続けた。「ご主人様、私、もう我慢できませんわ」
春菜は突然龍を白い壁に押し付けた。そしていきなりネクタイを締め上げた。
「うっ! く、苦し……」龍は苦痛に顔をゆがませた。
春菜はとっさに龍の口を自分の唇で塞いだ。呼吸ができずに苦しんでいる龍の口をそのメイドは吸い、舌を差し込み、舐め回した。
シュルルッ。春菜はネクタイを一気に抜き去った。
「かはあっ!」龍は大きく息を吸い込んだ。そして胸を押さえ、激しく肩を揺らしながら酸素を求めて何度も激しい呼吸をした。
春菜は龍の身体を抱きしめ、彼の腕を背中に回し交差させた。
「え?」戸惑う龍に抵抗する隙を与えることなく、春菜は龍の両手首に金属製の手枷をはめた。そしてまた春菜は龍の口の自由を自分の唇で奪った。
春菜が龍と激しくキスをしている間に、彼女の手は龍のワイシャツのボタンを外し終わり、ズボンのベルトも抜き取られた。キスを止めた春菜は、ワイシャツの前をはだけさせ、龍の首筋に舌を這わせ始めた。そしてそれは徐々に下に下がっていき、龍の左の乳首を捉えた。
「んくっ!」龍は身体を硬直させた。
春菜の舌が、龍の小さな乳首を弄んだ。龍の身体はどんどん熱くなっていく。
おもむろに春菜はその乳首を歯で咬んだ。「うあっ!」龍の脚ががくがくと震え始めた。
春菜は龍の前にひざまずき、ズボンを下げた。黒い下着の前にはぬるぬるのシミができていた。
「ご主人様、もうこんなに……」
春菜はその下着を一気に下ろすと同時に跳ね上がった龍のものを口に咥え込んだ。
「ああっ!」龍が叫ぶ。
しかし、春菜は龍の腰に手を回し、大きく怒張したものを咥えたまま口を動かさずにじっとしていた。
「あ、ああっ! ああああっ! ルナっ! ルナっ!」龍はしかしどんどん息を荒くしながら喘いでいる。
春菜は、舌と喉で龍のものを刺激し続けていたのだった。いつしか春菜の唇から透明な液が糸を引いてしたたり始めた。龍はずっと喘いでいる。
「あ、ああっ! ル、ルナっ! イきたい! イかせてっ、あ、あああああ!」
しかし、春菜は龍にクライマックスを与えなかった。彼が登り詰める直前で刺激を緩め、決してイかせなかった。龍の快感のエネルギーは身体の中で渦巻きながら出口を塞がれ限界にまで高めさせられていた。
春菜は口を放した。龍の身体ががくん、とくずおれ、ベッドの横の床に転がった。彼のペニスの先から透明な液が糸を引いて大量に垂れている。
「ふふっ、ご主人様ったら、もう爆発寸前なのですね?」
春菜は微笑みながら彼の背に腕を回して身体を起こさせた。
「ル、ルナっ! 俺、も、もう……」龍は激しく喘ぎ続けている。
「わかってますわ。一度イかせて差し上げます」
春菜は後ろ手に拘束された龍を膝立ちにさせると、その腰に両手を当て、いきり立った彼のペニスに口を近づけた。
「さあ、ご主人様、遠慮なくイって下さい」
そしてピンク色の舌先で、激しくビクビクと脈動している龍のものの先端を舐めた。
「うわあああーっ! 出るっ! ルナ! 離れて! 出る出るっ!」龍は全身を硬直させた。
びゅびゅっ!
龍はついに登り詰め、激しく射精を始めた。
「ルナっ! だめっ!」
春菜はそのままうっとりと目を閉じて、龍が勢いよく放つ熱く白い液を、その髪や頬や掛けている眼鏡に受け止め続けた。
ぐったりと床に転がった龍の手首を手枷から解放した春菜は、龍の顔を覗き込み、微笑んだ。「気持ちよかったですか? ご主人様」
龍は泣きそうな顔でいきなり春菜の身体をぎゅっと抱きしめた。
「春菜さん、だめだよ……」
「どうしたの? 龍くん」
龍は腕の力を緩め、そのまま春菜から身を離し、肩に手を置いて、ますます泣きそうな顔で彼女の顔を見つめた。
「貴女の髪も顔もどろどろだよー」
「平気よ、龍くん」
「ごめんなさい……」
春菜はふふっと笑った。「龍くんって純情すぎ」
◆
龍は濡れタオルで春菜の髪にまつわりついた白い液を拭き取りながら言った。「ほんとにごめんなさい。こんなにいっぱい出しちゃって……」
「ううん。大丈夫」眼鏡を掛け直した春菜はにっこりと笑った。「あたしこそごめんね、龍くん。手錠されて痛かったでしょ?」
「平気。でも、こうやって手の自由を奪われると、かえって燃えるってことがわかったよ」
「あたしもとっても燃えた」
「でも俺、春菜さんに何もしてあげてない……」
「いいの。私ね、男の人が苦しそうに喘いでたり、我慢できなくてイっちゃったりする姿にとっても興奮するの」
「……そうなんだ」
龍は意外そうに春菜の顔を見た。
「ケンにも時々してあげるんだよ」
「手錠したり?」
「うん」
「でも、さすがだね、春菜さん。メイドコスプレの第一人者。俺、ほんとに自分がご主人様だって錯覚してたような気がするよ」
「そう?」春菜は微笑んだ。
「でもさ、すごかったよ」
「え? 何が?」
「いわゆる『寸止めフェラ』」
「ふふ、得意なんだ、私。これも時々ケンにもやってあげるの。でも真雪も似たような技、持ってるって話だけど」
「そう!」龍は目をむいて言った。「すごいんだよ、挿入したあと、締め付けられて、ぐるぐる刺激されるんだ」
春菜は笑った。「ぐるぐるって何?」
「あそこの一番敏感な場所を中の粘膜で激しく蹂躙されるんだよ」龍は興奮しながら言った。
「でもイかせてもらえないってわけ?」
龍は大きく一つ頷いた。「うん。そうなんだ。もう頭の中までぐるぐるってなっちゃって、意識が吹っ飛びそうになる」
春菜はくすくす笑いながら言った。「龍くん、かわいい! 子供みたいに興奮してるよ」
「さっきの春菜さんのフェラもそんな感じだったよ。すごかった……」
春菜は龍の頭を優しく撫でた。
「ねえ、龍くん」
「なに? 春菜さん」
「まだ元気ある?」
「え?」
「私、普通に龍くんに抱かれたい。ベッドで。だめ?」
龍ははにかんだように笑った。「いいよ。俺も、春菜さんにお礼しなきゃね。ちゃんと気持ちよくなってもらわなきゃ」
「嬉しい! ありがとう、龍くん」春菜はゆっくりと龍のシャツを脱がせた。
「あ、先にシャワー浴びて来てよ。春菜さん、まだ少し俺のがついてるよ、髪に。早く洗ってきて」
「うん。わかった。じゃあお先に」
春菜はにっこりと笑って立ち上がった。
◆
「下着の着替え、持ってきてて良かった」シャワーを浴び終わった春菜は、ショッキングピンクのブラとショーツを身に着けていた。
「うわあ! 似合う! 春菜さん。意外意外」龍はベッドの上に腹ばいになったまま言った。「春菜さんて、淡いピンクのイメージだったけど、それもいいね。すっごく似合ってる」
「そう? 嬉しい」春菜は頬を上気させた。「龍くんはどんな下着?」
「俺はワンパターンのビキニだよ」龍はベッドから降りると着替えを手にしてシャワールームに足を向けた。「じゃあシャワー浴びてくるね」
ドアを開けて出てきた龍は下着一枚の姿だった。
ドレッサーの前で髪にドライヤーをかけていた春菜は、振り向いて言った。「素敵! ピンクのビキニ。あたしとお揃いじゃない」
鴇色に近いピンクのショーツ姿の龍は頭を掻きながらベッドの端に腰掛けた。春菜もドライヤーのスイッチを切って、龍の横に並んで座った。
「そう言えば確かにこんな明るい色のはあんまり持ってない。黒が大多数」
「メンズにもあるんだね、そんなかわいいの」
「かわいいかな……」龍はまたぽりぽりと頭を指で掻きながら頬を赤くした。
「今日はどうして?」
「真雪に持たされた。春菜さんはきっとピンクの勝負下着で挑んでくるはずだから、龍もね、って」
「当たり!」春菜は右手の人差し指を立てた。
「でも何だか、ちょっと恥ずかしい……」龍は脚をもぞもぞさせた。
「似合ってて素敵よ、龍くん。それも勝負下着ってことなのね」春菜は嬉しそうに笑った。
「持ってるのは全部そんな感じのビキニなの?」
「Tバックも何枚か持ってるよ。真雪が買ってくれた」
「Tバック、龍くん似合いそうだね。真雪って、Tバックが好きなの?」
「どうかな」
「龍くんのお尻、小さめで引き締まっててかっこいいから、とっても似合うと思うよ。今度見せて。一度スケッチしたいな」
「いいよ。でもスケッチだけで済まないかもよ」龍は悪戯っぽく笑った。
春菜は龍に身体を向け直し、そっと龍の頬を手のひらで包み込んでキスをした。「リクエスト、何かある?」
「俺はオーソドックスなスタイルなら、何でも対応できます。お嬢様」龍は笑った。「春菜さんは? 何かして欲しいこととか、逆にして欲しくないことなんかない?」
「私も特にされて厭なことはないよ。龍くんがそんなひどいことするわけないもの」
「わかんないよ? 豹変して君を痛めつけちゃうかも……」
「それでもいい。私龍くんになら乱暴されてもいい」
「乱暴なんかしませんよ、お嬢様」
龍は春菜の頬を両手で包み込んでチュッとキスをした。
「一つだけいい? 龍くん」
「なに?」
「最後は私が下で、あなたが上。イくときはぎゅって抱きしめて」
「ほんとにオーソドックスだね。でも俺もその方がいい」
龍はゆっくりと春菜を抱きしめ、ゆっくりとベッドに横たえた。そして彼女の眼鏡をそっと外し、サイドテーブルに置いた。龍は静かに唇を春菜のそれに重ねた。
ついばむように唇を重ね合いながら、龍は春菜の髪を梳かした。そして左手を頬に、右手は彼女の後頭部に当てて、自分の方に引き寄せながら強く唇を押し当て始めた。おもむろに口を大きく開けて、彼は春菜の上唇を挟み込み、舌で舐めた。そして何度も口を大きく開いたり閉じたりして、春菜の唇を、舌を、顎を舐め、吸った。
ゆっくりした動きでその行為を続けていた龍は、ようやく春菜から口を離して小さく息を吐いた。温かく、甘い香りのする吐息が春菜のまぶたを通り過ぎた。
「素敵……」春菜は夢みるように小さな声で言った後、興奮したようにまくし立てた。「素敵、素敵っ! 龍くん、キス、絶品だね……」
「そう?」龍は微笑んだ。
「私、初めての時にこんなキスされてたら、絶対龍くんに走ってた」
「大げさです。春菜さん」
「ケンのキスと同じ……ああ……もうとろけそう……」春菜が目をつぶってそう呟いた時、龍は春菜の背中に回した手でブラのホックを外した。そして弛んだブラをずらしながら左の乳首に舌先をそっと触れさせた。
「んっ……」春菜が顔をゆがめた。
龍は口をとがらせてその乳首を強く吸った。
「んああっ!」春菜はびくん、と身体を仰け反らせた。
龍はブラを取り去り、右の乳房を手のひらで包みこみ、初めはゆっくりと、次第に力を込めて揉みしだき始めた。そうやって龍は春菜の右と左の乳房を口と手で刺激し続けた。
春菜の身体の中で熱い奔流が渦巻き始めた。
「あ、あああっ、りゅ、龍くん! も、もうイ、イきそう、あ、ああああっ!」
龍は口を離して両手で左右の乳房を握り、人差し指と中指でぎゅっとつまみ上げた。そして同時に春菜の口を自分の口で塞いだ。「んんんんんーっ!」春菜の身体が硬直した。そしてがくがくと痙攣し始めた。龍は、乳房を掴んだ手も、口を塞いだ唇もそのまま離すことなく力を込め続けた。
長い間身体を震わせていた春菜は、龍が口を離した途端、はあっと大きな息を吐いた。
「も、もう! 龍くんったら……」
「気持ち良かった? 春菜さん」
「すごい……。私バストの刺激でイったの初めて……」
「そう。良かった」
「とろけるようなキスからバスト……、巧みな連続技」春菜は困ったように眉尻を下げて、龍の鼻の頭を小突いた。「さすが龍くんだね。おっぱいの匠。真雪のおっぱいをいつもああしてあげてるの?」
「そうだね。真雪のおっぱいは、いつも念入りに愛してあげるんだ」
「真雪のはやりがいがありそうだね」
「でも、春菜さんのおっぱいって、感度いいね」
春菜は恥ずかしげに言った。「う、うん。ケンにもそう言われた事がある……」
「ごちそうさま」龍は笑った。
「キスとおっぱいで龍くんにいっぱい感じさせてもらったから、次は私が龍くんを気持ち良くしてあげるね」春菜は身体を起こした。
龍を仰向けにして、春菜はゆっくりと小さなビキニの下着を脱がせた。そして、硬くなった龍のペニスを両手で包みこんだ。「んっ……」龍が小さく呻いた。
時間を掛けてゆっくりと、春菜は龍のペニスを舐め、唇をすぼめて吸い込み、舌先や喉の奥でぬるぬると刺激した。うねるような快感が龍の身体を満たし始めた。
「あ、あああ……」龍は熱いため息と共に甘いうめき声を上げた。
春菜は口を離し、先から漏れ出た透明な液を舌先でぺろりと舐めとった。
「気持ちよかった? 龍くん」
龍は肩で息をしながら頭をもたげて春菜の顔を見た。「もう、なんか、どうにでもして、って感じ」
「何それ」春菜は笑った。
「春菜さんのフェラ技、誰にもかなわないよ。たぶん」
「そう?」
「動きがなんか、こう、自然で、身体がずっと熱くて、気持ちよさがずっと続く感じ」
「ケンにいろいろアドバイスされたからね」
「いや、これは春菜さんの才能じゃないかな。そのまま一気にイかせたりもできるんでしょ?」
「そうね。ケンも口に出すのを嫌がるから直前で止めるけど、やろうと思えばできるかな」
「たぶんイかせた後、そのまま二度目まで持って行けるんじゃない? この技で」
春菜は目を細めた。「今度ケンで試してみようかな」
「ケン兄じゃ難しいかもね」
「そうだね。ほんとに嫌がるからね、あの人。龍くんもなの?」
「男はイった後『賢者タイム』があるの、知ってるでしょ?」
「うん。知ってるよ」
「二人で繋がって、抱き合ったまま盛り上がって一緒にイった後の賢者タイムはすっごく幸せな時間だけど、自分だけ出したりしたら、とっても後味が悪いんだ」
「どんな風に?」
「申し訳なさとか罪悪感とか、やっちまった感に溢れちゃう」
「そうなんだね……」
「春菜さんも抵抗ないの? 口に出されたりするの」
「『も』って、真雪は抵抗ないってこと?」
「うん」龍は少し声のトーンを落とした。「二十歳の時のあの事件で、好きでもない男に出されたのがよっぽど厭だったらしくてさ、それ以来俺のを口に出して、とか身体に掛けて、って時々ねだってくるんだ」
春菜も少し表情を硬くした。「無理もないよ。真雪にとって龍くんの出すものは心も身体も浄化してくれる聖水みたいなものなんじゃない?」
「そうなんだろうね。でも春菜さんもあんまり抵抗ないなんて、ちょっと意外だったな」
「好きな人のものだからよ。女の人ならたいていそう感じると思うけど」
龍は何も言わずにふっと微笑んだ。
「ごめんね。変なこと言って。冷めちゃったでしょ?」
「春菜さんのおっぱい吸ったら復活すると思います」龍は笑った。
「嬉しい」春菜はにっこり笑って龍の首に両腕を回した。
龍は春菜をベッドの真ん中に仰向けにして、上から包み込むようにして覆い被さった。
「春菜さん、きれいな肌だね」
「やだ、龍くんたら、お世辞が上手」
「ほんとだよ。なんか透き通るようなピンク色」
春菜は頬もピンク色に染めて龍の頭を両手で挟み込んで、その口を自分の唇に押しつけた。
んっ、と短いうめき声を上げて、龍は目を閉じ、春菜の柔らかな唇を味わった。
龍と春菜はそのまま何度も唇を重ね直し、舌を絡ませ合った。二人の唾液が下になった春菜の口元から垂れて、頬を伝った。龍は脚を春菜の両脚に割り込ませ、彼女のピンクのショーツ越しにその逞しい太ももをしっとりと湿った秘部に擦りつけた。
「ああん……」口を離した春菜が喘いだ。「りゅ、龍くん……」
龍は身体を滑らせてその舌を敏感な春菜の乳首に到達させた。
「あっ!」春菜が鋭い声を上げ、身体をびくん、と仰け反らせた。「い、いい! 気持ちいい、龍くん!」
咥え込み、さすり、舐め回し……、龍は再び時間を掛けて春菜の二つの膨らみとその頂点にある愛らしい粒を慈しんだ。
「やっ! やっ! 龍くん、だめ、私もう!」
春菜は身体をびくびくと大きく脈動させた。
「来て! 龍くん、私と繋がって! お願い、もう我慢できない!」
龍は春菜と額同士をくっつけ合い、にっこりと笑った。「いいの? 春菜さん、繋がっちゃって」
「じらさないで、早く入れて! 龍くん、お願い」春菜は焦ったように早口で叫んだ。
龍は春菜のショーツを両脚を持ち上げてするりと脱がせると、そのまま谷間に硬くなった自分のものを宛がった。
「俺もイっていい? 春菜さん」
はあはあと大きく荒い呼吸を繰り返しながら春菜は言った。「イって! 私の中で。遠慮しないで、龍くん!」
龍のペニスが春菜の身体の奥深くまで到達するのにいくらも時間は掛からなかった。
「きゃあっ!」春菜は小さく悲鳴を上げた。
龍は両手を春菜の身体の脇のシーツに突いて、ゆっくりと腰を動かし始めた。
「龍くん! 龍くんっ!」春菜も龍の動きに合わせて、その身体を大きく波打たせた。「すごい、すごいよ、龍くん! もう止まらない!」
「春菜さん!」龍も快感に顔をゆがませて腰の動きを速くした。「いい、すっごく気持ちいいよ、春菜さん!」
「そのままイって! 龍くん!」
春菜の手が龍の背中に回され、龍は春菜の身体に密着させられた。そして春菜の口が龍の唇を求め始めたのを察した龍は、焦ったように彼女の口を自分の口で塞いだ。
「んんっ、んんんっ!」
春菜は大きく身体を仰け反らせて大きく呻いた。
ぐうっ、と龍の喉元で大きなうめき声が聞こえた。そして次の瞬間、繋がった二人の身体が激しく、何度も跳ね上がった。
そして何度も脈動しながら龍の熱い想いが、春菜と一緒に弾けた。
はあはあと息をしながら龍はそのまま両腕をゆっくりと春菜の背中に回し、彼女のまだ熱いままの身体をきゅっと抱きしめた。
「あっ! な、何? りゅ、龍くん! だめ、だめっ!」
出し抜けに春菜はまた喘ぎ始めた。
龍は汗ばんだ春菜の背中に手のひらを這わせながらうなじに唇を押しつけた。
「いやっ! またイっちゃうっ!」
春菜はぶるぶると身体を震わせた。
《Chocolate Time 主要コンテンツ》