第6話 兄の切ない想いを page 1 / page 2 / page 3 / page 4

 いつしか汗だくになっていたその兄妹が、しきりに身体を揺さぶるのを見ているうちに、ドアの後ろで龍は自分の分身が熱く、堅くなっていくのに狼狽していた。

「ま、真雪っ……、うううう……」

 襲いかかる射精感に身を震わせて、龍はぎゅっと目をつぶった。

 健太郎は真雪の両脚を抱えて、激しく腰を前後に動かし始めた。

「マユ、マユっ!」

「ケン兄、ああ、熱い、熱いっ!」

 二人が同じように揺れ動くたびにぐちゅっ、ずちゅっ、と大きな音が部屋中に響いた。

「(ああ、お、俺、どうしちゃったんだ、ああああ……)」

 龍は床に膝立ちになって股間を押さえ、荒い息を繰り返した。

 真雪は身体を小さく震わせ始めた。そしてますます大きな声を上げた。「だめ! ケン兄、どうにかなりそう、もう、もうイってる。あたし、ずっと、ああああーっ」

「マユ! マユっ! 俺も、も、もうすぐ……」

「ケン兄、イって! あたしの中にあなたの想いを!」

 ぐううっ! と健太郎の喉が鳴った。そして動きを止めた健太郎のヒップがびくんびくんと脈動し始めた。

「出、出るっ! マユーっ!」「ケン兄ーっ!」

 深く繋がり合ったその兄妹は同時に叫んだ。

 リビングの真ん中にあったストーブの上にかけられたケトルが激しく沸騰し始め、その蓋がちりちりと音を立てた。

 龍は、二人が繋がった所から、白い液が大量にあふれ出すのを見て、自分自身もついに上り詰めてしまった。

「うううっ!」

 龍は苦しそうにドアの後ろで跪いたまま、身体を震わせ、下着の中に激しい射精を繰り返した。

「ケン兄、ケン兄、お願い、もっと、もっと!」

 真雪は泣きながら懇願した。

 健太郎は真雪の脚を下ろし、繋がったまま彼女を横向きに回転させ、ソファにうつぶせにして、ヒップを突き出させた。そしてそのまま衰えを知らないペニスを再び激しく前後に動かした。その度にびちゃびちゃと音を立てて真雪の谷間から白く濁った液があちこちに飛び散った。

「マユっ! また、またイく、俺、俺っ! あああああーっ!」

「いいよ、イって! ケン兄、もっとたくさん、貴男の思いを、ああああーっ!」

「出……るっ! うあああああーっ!」

 真雪の腰を鷲づかみにしたまま、健太郎はのけぞった状態で何度も、真雪の深い場所にその精を放ち続けた。

 真雪は荒い息を繰り返しながら、顔を後ろに向けた。「ケン兄……」

 目が合った健太郎は一つうなずくと、真雪の身体を抱え上げ、自身がソファに横たわった。真雪は健太郎の身体に跨がり深く繋がり合ったままくるりと身体を振り向かせ、対面して騎乗位の体勢をとり、自ら激しく腰を上下させ始めた。

「ケン兄、まだ熱い、熱いよ!」

「俺も、また……」

 健太郎は汗だくになったまま、苦しそうな表情で上になった真雪の腰に手を当てて、同じリズムで身体を揺らした。

 真雪の中に注ぎ込まれたびっくりする程大量の健太郎の白い液と、真雪自身から溢れるしずくが一緒になり、つながり合った二人の秘部だけでなく、その秘毛も脚の付け根も、腹部も、まるでローションを塗りたくったようにぬるぬる、どろどろになっていた。

 真雪と健太郎が同じように身体を震わせ、二人は同時に叫んだ。「出、出るっ! マユっ、マユーっ!」「ケン兄! もうだめーっ! あああああーっ!」

 びくん!

 繋がり合った二人の身体が大きく跳ねた。そしてさらに激しく二人の身体が痙攣し、兄健太郎のペニスが深く入り込んだ妹真雪の谷間の隙間から、再び勢いよく熱い液が迸り出てくるのを龍は目の当たりにした。

 荒い息を落ち着かせられないまま、龍は震える手でそっとドアを閉めた。そして真雪のために買った花束をそこに残したまま足音を忍ばせながら焦ったように玄関を飛び出した。

「ごめん……マユ」

 下着をつけ直した健太郎と真雪の兄妹は、ソファで抱き合ったままじっとしていた。

「ケン兄……」

「ありがとう。俺の思いを受け入れてくれて……」

「あたしも、」真雪は健太郎の頬に小指をそっと這わせた。「気づいた」

「え?」

「あなたに、ずっと抱いていた想い」

「マユ……」

「兄妹って、いつか離れていくって思ったらすごく切なくなっちゃって、あたしもケン兄が愛しくてたまらなくなってた」

「……そうか」

 健太郎は真雪の髪をそっと撫でた。

「こんなことはもう、二度としない。誓う」

 健太郎は真雪に目を向けた。

 真雪はうつむいて小さく、うん、と言った。

「これで、やっとおまえを龍のもとに送り出せる」

「あたしも、ケン兄が春菜のものになるのを、心から祝福できる」

 真雪はにっこりと笑った。

 健太郎も少し寂しげに笑った。

 二人は同じように瞳に涙を溜めて、柔らかく抱き合い、そっと唇を重ね合わせた。


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